現在の鍵の原型・ウォード錠!その中身はどんな構造になっているの?
ウォード錠という鍵の名前に、聞き覚えがないという方も多いかもしれません。新しい鍵を付ける際の選択肢として考えられる鍵なのかどうか、気になっている方もいらっしゃるかもしれません。
このコラムでは、ウォード錠がどのような鍵なのか、外観的な特徴や歴史、防犯性についてご紹介します。実はウォード錠は防犯性が低い鍵なので、弱点を補うための方法についてもしっかりと解説いたします。ウォード錠に興味があるという方は、ぜひご一読ください。
目次
ウォード錠はどんな鍵?特徴と歴史について
ウォード錠は、ある意味で多くの人にとって、もっとも身近な鍵といえるかもしれません。まずは、ウォード錠の特徴と歴史について見ていきましょう。
ウォード錠の外観的な特徴
ウォード錠の鍵の形は、じつは誰にでもなじみのある外見をしています。持ち手から棒状に伸びた部分の先のほうに、鍵の歯がついた形です。持ち手から歯ブラシが突き出ているようにも見え、「鍵」の形を思い描くときにイメージすることも多い形となっています。
ウォード錠の鍵穴の形は、パソコン・スマートフォンなどのロックやパスワード入力の際にも使われていることがあります。
現代の生活のなかでは、実際に鍵として使用する機会の少ない種類ですが、その形は誰もがよく知っているものです。
ウォード錠内部の構造
ウォード錠の錠前の内部には、ウォードと呼ばれる障害が設置されています。ウォード錠の鍵の歯の部分には凹凸があり、正しい錠前に差し込むと、凹凸がウォードの形と一致して、錠前を回して解錠することができるという仕組みになっています。
現代の鍵の内部と比べると、ウォードはとても単純な構造をしています。しかし、錠前に合った正しい鍵でなければ鍵穴のサイズと合わず、ときによっては鍵穴に差し込むことができない場合もあります。
ウォード錠の原点は紀元前までさかのぼる?
ウォード錠の歴史には諸説ありますが、古代ローマ時代に原型があったという説もあります。古代ローマ時代は一般的に紀元前700年頃~西暦500年頃といわれるため、とても歴史のあるタイプの鍵であるとみなすこともできます。
一方で、ウォード錠は中世イギリスの職人が、初めて作ったという説もあります。ヨーロッパで見られる史跡などからも、ウォード錠が中世ヨーロッパでさかんに用いられたのは事実のようです。
ただ、ウォード錠はとても簡単なつくりの鍵だったため防犯性が低く、解錠されたり複製されたりすることも多かったといいます。産業革命のころには、より防犯性の高いレバータンブラー錠という新式の鍵に、移行していったといわれています。
芸術品として高められているものも多い
防犯性の低いウォード錠ですが、レバータンブラー錠が登場するよりも前は、ウォードの構造を複雑にすることで防犯性をカバーしていました。
ウォードの構造を複雑にするということは、鍵の歯の模様も複雑になるということです。なかには繊細な格子のように複雑なウォード錠もあり、その鍵は芸術的とさえ評されるほど精巧なものとなっています。
また、内部や鍵の歯の部分だけでなく、鍵や鍵穴が持つ古風な雰囲気は、今も多くの人を魅了しています。
現代でも簡易的な鍵として使われている
ウォード錠は、デザイン性の高さから、現代でも簡易的な鍵として使われています。家具の引き出しやバッグ、アンティークグッズなど、インテリアやファッションの分野では、その魅力を未だに発揮し続けている鍵なのです。また、輸入家具の引き出しの一部に使われている場合もあります。
いくら防犯性が低いとはいえ、ウォード錠もれっきとした錠前です。鍵がなくなったり、壊れたりしたら、鍵が開かなくなってしまうことも考えられます。単純な仕組みの鍵だからといって自分で対処すると、事態がもっと悪化することもありますので、ウォード錠のトラブルはプロの業者に相談してみましょう。
鍵お助け隊では、ウォード錠のトラブル対応も承っております。現代ではあまり主流でない珍しい鍵ですが、心配はご無用です。いつでもお気軽にご相談ください。
現代の鍵と比べたウォード錠の弱点
ここからは、現代でウォード錠を活用するときに知っておきたい、ウォード錠の弱点についてご紹介します。
ウォード錠は中世でよく用いられた鍵であることがわかりましたが、現代の鍵と比べると具体的にどのような弱点があるのでしょうか。
温度変化に弱い
ウォード錠は気温変化に弱い一面があるといわれています。金属は気温の上昇によって質量が増える性質があるためです。
ウォード錠の鍵が膨張・変形することによって、錠前のなかのウォードに上手くかみ合わなくなり、解錠できなくなることもあるといいます。精密に作られていればいるほど、金属の変形によって受ける影響も大きくなるので、注意が必要です。
すべての鍵を開ける「スケルトンキー」が作れてしまう
ウォード錠の弱さのなかで致命的なものは、「スケルトンキー」と呼ばれる鍵で解錠できてしまうことです。スケルトンキーは、円筒の軸に長方形の歯がついている、とても単純な形の鍵です。
ウォード錠の鍵と同じか、それよりも小さなサイズのスケルトンキーを使えば、ウォード錠の錠前を解錠することができるといわれています。スケルトンキーは、ほとんどのウォード錠を開けることができるため、ウォード錠の安全性はとても低いものとなっています。
ピッキングには強い?弱い?
ウォード錠はピッキングに強くもあり、弱くもある鍵です。ウォード錠の開錠部分はウォードの奥にあるため、ヘアピンなどの道具を使ってピッキングをするのが難しい形状をしています。しかし一方で、鍵穴の中身が直接見えてしまう構造になっているため、不正開錠しやすいという欠点もあります。
いずれにせよ、単純な仕組みが用いられている防犯性の低い鍵であることには変わりありません。簡易な場所に使うにはよいですが、お家の玄関や金庫などに使うにはやはり不安が残ります。
重要な鍵はウォード錠から交換を!
もしも、玄関や窓、金庫や重要書類入れなどにウォード錠が使用されている場合は、すぐに鍵交換されることをおすすめします。
ウォード錠は防犯性がとても低い仕組みの鍵なので、大切なものや場所を守るための鍵には適しません。自宅への侵入防止用や貴重品の保管の際には、もっと防犯性能の高い鍵でなければ不安をぬぐい切ることはできないでしょう。
ウォード錠をどのような鍵に交換するべきかは、鍵のプロの豊富な知識を利用して決めるのが安心です。どんな場所にどんな鍵を付けたらよいか迷ったら、プロの鍵業者に相談してみましょう。「希望に合う鍵があるか知りたい」「予算内で済ませたい」など、お客様のご希望をご遠慮なく鍵お助け隊にご相談ください。
ウォード錠の防犯性を強化するための方法
現在ウォード錠が設置されている場所の防犯性を強化するためには、鍵の交換か、補助錠の設置がおすすめです。
ここからは、鍵の交換と補助錠の設置について、わかりやすく解説していきます。ご自宅でウォード錠を使っている場所がある場合は、どうしたら防犯性を補うことができるのか知っておきましょう。
ウォード錠を交換する
一番確実で安全な方法は、ウォード錠をほかの防犯性が高い鍵へ交換することです。玄関や窓辺など重要な場所にウォード錠がついている場合は、すぐに鍵を交換したほうがよいでしょう。
玄関の鍵交換にオススメなのが、ディンプルシリンダーキーです。とても複雑な構造で精密なつくりの鍵なので、不正開錠をされにくいという強みがあります。玄関に高性能の鍵がついている家は、空き巣などの犯罪の標的にされにくいといいます。
一昔前に鍵の主流とされていたギザギザの鍵(ディスクシリンダーキー)は、防犯性がとても低く、ウォード錠から交換してもほとんど意味がないため、選ばないようにしましょう。
多くの住宅の窓辺についているクレセント錠もまた、大変防犯性が低い鍵となっています。ウォード錠から交換するなら、ダイヤル式のクレセント錠など、一工夫ある鍵を選ぶと安心です。
補助錠を付ける
現在あるウォード錠を活かして防犯性を高めたいのであれば、補助錠を付けるのがおすすめです。補助錠とは、もともとついている鍵とは別の、第二の鍵のことです。
補助錠には、一般的な鍵穴のある錠前以外にも、暗証番号を入力して施錠・開場をおこなうものもあります。また、扉に穴を開けて新しく錠前を増やすほかに、ドアノブのカバーやドアに簡単な鍵を付ける種類もあり、選択肢は豊富です。
ウォード錠はもともとの防犯性が大変低いため、補助錠はしっかりとした性能のものを選んだほうがよいでしょう。簡易的なタイプよりも、ドアに穴を開けてしっかりと鍵を付けるタイプがおすすめです。
防犯性の高い錠の取り付けは業者へ依頼
防犯性の高い錠前を取り付けようとするときには、業者に依頼するようにしましょう。自分自身で鍵を取り付けることも可能ではありますが、初心者にとっては複雑で難しい作業となります。なにより正しく設置できなければ、上手く扉が閉まらないなどのトラブルのもとになる場合もあるのです。
ウォード錠の防犯性の低さをカバーするのにうってつけの鍵については、業者が熟知しています。鍵の種類から設置方法まで、プロの知識を借り、よりよい防犯環境を作ってみましょう。
「お家のウォード錠をそのまま生かして、防犯性を高めたい」「ウォード錠を新型の鍵に交換したい」どちらのご依頼も、ぜひ鍵お助け隊にご相談ください。お客様のご希望に合わせて、プロの業者が真摯にご対応いたします。
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